昨季年間勝ち点1位の浦和レッズが横浜F・マリノスに敗れて12年シーズン以来の黒星スタートとなった。

 前半は持ち前のパスサッカーが機能せず、カウンターから先制点を許した。いつも通り長い時間ボールを保持したが決定機は少なく、0-1でハーフタイムとなった。

 選手らがロッカールームへ戻る中、左脚つけ根のケガから復帰した司令塔MF柏木陽介(29)がベンチへ駆け寄った。この日は2列目で出場していた柏木は「みんなが立ち止まってしまっていて、うまくボールが回っていなかった」と感じ、すぐにペトロビッチ監督(58)のもとに向かった。堀コーチらも入って約5分間、修正案を話し合っていた。

 後半に入り、浦和の陣形は3-4-2-1から4-4-2に近い形に変わった。柏木とともに2列目だったFW興梠慎三(30)が最前列へ上がり、柏木がトップ下に入る形に。ボランチだったMF阿部勇樹主将(35)がDFラインに下がった。柏木の進言もあり、指揮官は思いきった変更を試みた。

 柏木が「後半の20~30分間はすごくよかった」と振り返るように、人が動きパスが回り出した。ゴール前にキープ力の高い興梠がいることや、中盤で柏木にボールが収まることで攻撃リズムが生まれた。迎えた18分、右サイドのMF関根貴大(21)のクロスを新加入のFWラファエル・シルバ(24)が合わせて追いついた。

 直後の20分にはセンターサークル付近でボールを持った柏木の絶妙なロングパスに、再びラファエル・シルバが反応。ペナルティーエリア内に走り込み、飛び出したGKとの競り合いに勝ってヘディングで逆転ゴールを決めた。

 勝ち越し後に柏木に代わってDF那須大亮(35)を投入して守備固めに入ったが、そこからまさかの2失点を喫した。横浜MF斎藤学(26)に右サイドを崩されての失点が2度。DF遠藤航(24)は「逆転してから(DFの人数を)4枚にするのか3枚にするのか、選手は4枚のままでいこうと話していたけど、意思統一しきれていなかった。(斎藤を)あれだけスピードに乗せてしまうと」と唇をかんだ。

 昨季はリーグ最少28失点は記録したが、富士ゼロックス・スーパー杯に続く3失点となった。DF槙野智章(29)は「2度、完全に崩された。去年はこのような形は数回程度しかなかった。守備陣として反省し、話し合いたい」と厳しい表情で話した。

 中2日で28日にはACL第2戦のFCソウル戦(埼玉)を控える。厳しい日程を強いられる中、短期間での修正を図る。