FC東京が昨季王者の鹿島アントラーズを破り、4年ぶりに開幕星を挙げた。相手のオウンゴールを巧みに誘った。途中出場のMF中島が左サイドから右足でミドルシュートを放ち、GKがはじいたところに2つの人影が猛烈に詰めた。新加入のFW大久保嘉と永井だ。クリアしようとした相手DF三竿雄を挟み込み、かき出すコースを断ち、決勝点を手にした。

 最奥にいた永井は「DFがトラップすれば(手前の大久保)嘉人さんが奪って打てたし、流したら自分が決めていた」と追い込みに納得。昨季、川崎Fで鹿島に連敗していた大久保嘉も「勝てるか不安だった。すごく大きな1勝」。前半7分の初シュートで鼓舞してのリベンジに頬を緩めた。

 後半14分にはGK林がビッグセーブ。新加入組が、昨季9位の首都クラブを目覚めさせた。敵地カシマで勝つのは07年6月30日以来。負の歴史を初戦から塗り替えた東京が、昨季の2冠王者に土をつけた。【木下淳】