J2横浜FCのFWカズ(三浦知良)が、Jリーグ史上初めて50歳で試合に出場した開幕の松本山雅FC戦から一夜明けた27日、祝福ムードから臨戦態勢へ切り替えた。チームは横浜市内で約1時間の調整。カズは開始15分前に試合出場組で最も早く練習場に入り、寒空の下でいつも通り体幹トレーニングを行った。ランニングでは集団の先頭を走った。白星発進しただけに、チームは和やかな雰囲気だった。

 新聞各紙がカズの快挙に紙面を割いており、読み比べながら「これ、写真が大きすぎるんじゃないの」などと冗談めかして笑った。ただ、練習後は「長崎戦に向けた準備をしないと。切り替えて、緊張感を持って」と真剣な表情を浮かべた。次戦は3月5日のアウェーV・ファーレン長崎戦。出場すれば50歳7日で、元イングランド代表でサッカー選手の手本といわれるスタンリー・マシューズの50歳5日を超える。

 カズは例年、自主トレに入るとシーズンが終わるまで一滴もお酒を飲まない。“長寿”のベースでもある自制、節制の意識は自然と働き、祝福ムードを抑え込むようにして戦闘モードに移っていった。50歳と1日もカズはカズだった。開幕戦では満員の観衆の前で65分間プレーした。次に期待がかかるのはゴール。50代最初のカズダンスを誰もが待っている。【岡崎悠利】