昨年末に脳梗塞で緊急入院した元日本代表のラモス瑠偉氏(60)が2日、都内で復帰会見を行った。2月14日に退院し、同27日の検査では新たな脳梗塞は見つからなかった。4月1日から講演や取材などの仕事を再開予定で「80歳まで生きて、まだほえるで!」とラモス節全開だった。スペシャルアドバイザーに就任したJFL・FC今治でオーナーを務める岡田武史氏(60)に「走らないけどアシストして点を取る。背番号10は空いてる?」と猛アピールした。「左足首はまだ鈍さが残る」としながらも、片足立ちや両足でのリフティングも披露した。

 リハビリ期間を振り返ると涙で言葉がつまった。2人の知人が同じ病で命を落とし、毎日再発の不安に襲われた。「死ぬのは怖くないけど2度と妻や子供たちに会えないと思うと…。復帰したいし、まだサッカーがやりたい」。4月には初孫が誕生予定。医師からは「復帰まで半年から1年」と言われていたが、家族とサッカーへの強い愛情が驚異的な回復を後押しした。

 50歳で現役の横浜FCのFWカズには「待ってろよ」と“宣戦布告”も忘れない。「神様がもう1度人生を与えてくれた。監督としてもピッチに立ちたいし、これからはサッカーを通して人のために生きたい」と感謝していた。【岩田千代巳】