ヴィッセル神戸は2日、元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキ(31=トルコ1部ガラタサライ)を完全移籍で獲得したと発表した。一時は難航していた交渉は、ポドルスキ本人の直訴で電撃決定。加入は7月の予定だが交渉次第で3月中に合流する可能性もある。契約期間は19年シーズン終了までの見込みで、推定で移籍金260万ユーロ(約3億1200万円)、年俸500万ユーロ(約6億円)プラス出来高。年俸はセレッソ大阪に在籍したウルグアイ代表FWフォルランに並ぶJリーグ最高額になった。

 世界屈指のストライカーの神戸移籍がついに決まった。昨年末から続けていた交渉は二転三転、2月のJリーグ開幕には間に合わなかった。一時は難航した交渉を一気に進展させたのは、ポドルスキ本人の所属先ガラタサライへの移籍志願だったという。神戸関係者は「本人の日本に行きたいという強い意志があった。一時は、もう無理かなと思っていた」と電撃決定に驚いた。

 W杯3度出場、前回14年ブラジル大会は世界一に輝いた大物の獲得には、親会社楽天の三木谷浩史会長の広い人脈が生きた。ポドルスキの代理人が、三木谷会長と親交が深いバルセロナのスペイン代表DFピケと同じだった。バルセロナとスポンサー契約し、ユニホームの胸に名前が入ることになった楽天とすれば、神戸を世界進出させるためにもポドルスキの名前と実力が必要だった。

 加入はトルコのシーズン終了となる1部最終節(5月28日)後の7月の予定。Jリーグの登録期間は3月末までと7月21日からで、現実的には7月29日のホーム大宮アルディージャ戦がデビュー戦となる可能性が高い。だが、神戸は昨季得点王のFWレアンドロが開幕戦で全治約6カ月の大けがを負い、今月中の前倒し移籍を要望し、なおも交渉は継続中だ。

 神戸関係者によると、ポドルスキは「神戸で現役を終えたい」と話しているといい、忠誠心を誓っている。三木谷会長は「神戸が優勝を勝ち取るために、大いに活躍してくれることを期待している」とコメント。昨季クラブ史上最高位の年間7位に躍進した神戸が、悲願の初優勝へ、史上最強の助っ人を手に入れた。【小杉舞】

 ◆ルーカス・ポドルスキ 1985年6月4日、ポーランド生まれで2歳でドイツ移住。03年ケルンの下部組織からトップ昇格、06年Bミュンヘン移籍。アーセナルなどにも在籍し、15年ガラタサライに。ドイツ代表として129試合48得点。昨年8月に代表引退。182センチ、83キロ。