熊本でミニ合宿中の北海道コンサドーレ札幌は2日、非公開の紅白戦などを行い、今季2戦目となる明日4日の横浜F・マリノス戦(ニッパツ)に備えた。前節の仙台戦、プロ5年目にして初の開幕戦でJ1デビューを果たしたMF深井一希(21)は、ボランチで2戦連続の先発出場が濃厚だ。

 試合のピッチに立つ前、欠かさない儀式がある。両膝に手を当て「頼むぞ」と、大切な“商売道具”に祈りを込める。「神頼み的なもの。ケガが多かったので」。今月11日で22歳を迎える期待の逸材だが、これまでは相次ぐ故障に泣かされ続けた。両膝の前十字靱帯(じんたい)断裂に、半月板損傷。長期リハビリを余儀なくされ、ベンチすら遠かった開幕戦出場を、今季ようやく果たした。

 「こういう人生。今は悪い流れでも、いいことは必ずある。今後、どう明るい未来にしていくか、前向きに考えた」。悲運を乗り越え強くなった心は、黒星スタートぐらいでは折れない。「日本を代表する選手と毎試合のように対戦するのは楽しみ。どれだけ自分が通用するか確かめられる」。横浜戦で狙う今季初勝利で、全国へ存在をアピールする。【中島宙恵】