なでしこリーグ、マイナビ仙台レディースの元日本代表・中野真奈美(30)が、今季はFW起用される可能性が出てきた。5日、仙台市内で行われたベガルタ仙台のジュニアユースとの練習試合に、2トップの一角として前半だけ出場。得点は奪えなかったが好パスを出し、利き足の左から強烈なミドルシュートを放つなど存在感を発揮した。

 15年の仙台加入からMF登録で、不動の左サイドハーフ(SH)。「サイドよりボールを触れる。個人的にボールを触るのが好きなので楽しい」と笑顔を見せた。8年間いた前所属の岡山湯郷でFWを「5年間やっていた」と言い、戸惑いはない。先月中旬のなでしこ交流戦では8試合2得点。古巣の岡山湯郷戦ではFWで得点した。

 この日の前半は右SHに安本紗和子(26)、左SHに井上綾香(22)の俊足コンビが入った。「両サイドはスピードがある」と話す越後和男監督(51)はその速さを生かしつつ、パスやキック精度の高い中野を前線に置くことで攻撃にタメをつくり、アクセントをつけるなどの効果を期待する。中野のFW起用について、同監督は「ありえます」と言った。選手の調子や試合状況によっては、左SHも任せる。

 昨季はリーグ戦4位、リーグ杯と皇后杯はともに準決勝敗退して、掲げた初タイトルには届かなかった。それでも中野は「去年のことは忘れて」と優勝だけを見据える。26日の千葉とのリーグ開幕戦まで約3週間。プレーの質を高めていく。【久野朗】