FC東京ユース所属のMF久保建英(15)が先発し、フル出場も、期待のゴールはならなかった。

 久保は試合後、囲み取材に応じ「こういう、いい雰囲気で90分、やれたことは良かったと思います。(16年にJ3に出た時と比べると)成長したと感じることは出来ましたけど、逆にまだまだとも感じました」と感想を語った。

 またJ2横浜FCのFWカズ(三浦知良)が、ザスパクサツ群馬戦で50歳0カ月14日でゴールを決めたことについて聞かれると「50歳でゴールを決めるというのは、相当、試合前から入念に準備をしてやらないと、体の部分があると思うので、50歳の体でプレーしているというのは、本当に偉大な選手だなと感じています」と尊敬の念を口にした。

 久保は、オーストラリア代表にも選ばれたFWネイサン・バーンズと2トップでスタートすると、試合開始直後から前線を精力的に動いた。前半4分に自陣後方からの浮き球に果敢にジャンプし、相手と競り合うと、同7分にはセンターサークル付近で、ボールを持った富山の選手に体をぶつけて激しくプレスをかけた。同15分には、同じ東京ユース所属のMF平川怜(16)とのワンツーから、ペナルティーエリア内に飛び込み、決定的なチャンスを作った。

 前半26分には、初シュートを放った。右からのCKを富山DFが弾き、自分の前に飛んできたこぼれ球を、そのまま左足でダイレクトに蹴りこんだ。枠をわずかに外したが、美しい弾道に客席から歓声が起きた。前線を左から右に状況を見て自由に動き、相手選手とのボディコンタクトも辞さない、気迫あるプレーを続けた。

 一方で、前半35分過ぎから、ボールを要求しても、なかなか回ってこなくなった。何度、手でボールを要求してもパスが来ない。後半は孤立し、試合の流れに絡めない場面も見られた。

 その中、試合の最終盤には、らしさも見せた。後半40分、富山MF脇本晃成にユニホームを引っ張られたが、振り切って抜け出そうとした。最終的には倒されたが、脇本を引きずらんばかりのドリブルに、会場は沸いた。さらに同41分にも、DFに迫られながらも左サイドをドリブルで仕掛けた。

 この日、久保がゴールを決めれば、東京ヴェルディFW森本貴幸(現川崎フロンターレ)が04年5月5日のジェフユナイテッド市原(現千葉)戦で記録した15歳11カ月28日を上回る、15歳9カ月8日でのJリーグ最年少ゴール記録が生まれていた。新記録は18日の藤枝MYFC戦に持ち越しとなった。

 試合は富山が前半39分、後半25分のゴールで2-0で勝った。【村上幸将】