初ゴール演出男が、次は初V弾をプロデュースする。左太もも裏の張りで14日の練習途中に離脱していた北海道コンサドーレ札幌FW内村圭宏(32)が16日、札幌・宮の沢でのチーム練習に復帰した。11日のホーム開幕戦はFW都倉への絶妙な左クロスで17年のチーム1号をアシスト。18日のホーム、サンフレッチェ広島戦では4試合連続メンバー入りが濃厚で、ベテランFWの嗅覚を生かし、リーグ戦初白星を呼び込む。

 13番が無事に戻ってきた。14日のセットプレーの確認中に違和感を感じた内村は、すぐに判断して途中離脱。その日のうちに札幌市内の病院で精密検査を受けたが出血はなく、大事には至らなかった。この日はゲーム形式など1時間半の練習をフル消化。欠場した15日のルヴァン杯は、若手主体で公式戦初白星を挙げており「今度は早くリーグ戦での勝利をつかみたいし、それに貢献したい。張りも引いたし、ここから状態を上げたい」と前を向いた。

 前節C大阪戦では途中出場で流れを変え、0-1の後半28分、左サイドからの柔らかいクロスで、都倉のチーム初ゴールを生み出した。「チームとしての戦い方に、みんな慣れてきたし、結果も出かけてきている。ただ、ここでしっかり勝ちにつなげないと意味がない。まず最初の1勝をつかむこと」。勝ち点1には届いた。チームが上向いている間に、今度は勝ち点3の奪い方を詰めていく。

 広島戦には縁がある。J通算89発のベテランも、J1ではなかなか結果が出せず、わずか4得点。その半分の2ゴールを広島戦で挙げている。前回J1だった12年の初得点も広島戦だったが、試合は1-3と完敗した。「5年前は守るのでいっぱいいっぱいだった。今季は違う。まずしっかり守れているというのがある。うまく奪って、そのあと奪われずに、もう1度チャンスまで持って行ければ」。開幕3戦でつかんだ手応えを自らアレンジし、結果に結びつける。

 1分け2敗未勝利も、昨年から継続してきた堅守を軸とした粘り強い戦いは、徐々に成果を出しつつある。「J1とJ2が違うのは当然。良い選手が多いのは分かっていること。でもワンプレーの正確さや判断の速さがあれば、十分やれる」。丁寧かつ前向きにチームコンセプトを実践し、本拠札幌ドームでのリーグ1勝を目指す。【永野高輔】