J1復帰のセレッソ大阪が1-0でサガン鳥栖を破り、開幕4戦目で待望の今季初勝利を挙げた。後半25分、日本代表MF清武弘嗣(27)のクロスが起点となり、最後はMF山村和也(27)が頭で決勝点。3年ぶりに大舞台に戻ってきたC大阪が、ホームで歓喜の瞬間を迎えた。W杯アジア最終予選に臨む清武ら代表勢は試合後、敵地UAEに出発した。

 清武のクロスを起点に待望の初勝利が生まれた。0-0の後半25分。左CKのクリアボールが清武へ。右足で左ポスト付近にいたMF木本に通した。木本が「(清武からのパスが)ふんわり来たから、タイミングが合わせやすかった。(シュートを)打とうと思ったけど冷静にパスした」。頭で折り返したボールに、最後はMF山村が頭から突っ込んで決勝点を奪った。

 開幕4戦目、C大阪のJ1での勝利は14年10月22日徳島戦以来約2年5カ月ぶりだった。スペインの強豪セビリアから2月に電撃復帰した清武は、右太もも痛で開幕から2試合を欠場。前節札幌戦で初出場したばかりだ。

 「僕は(クロスを上げただけで決勝点に)関わってないけど、チームが勝てたことは良かった。(J1)初勝利で、日本に帰ってきてからも初勝利なのでうれしい」

 かつて指揮した鳥栖からの勝利に、就任1年目の尹晶煥監督も「全員が勝つという強い気持ちで、最後まで集中を切らさなかった」。決勝点の山村も「みんないい状態で入れていたし、やることもはっきりしていた」と胸を張った。

 元韓国代表MFで現役時代はC大阪でも活躍した新監督は、先発を全員入れ替えた15日ルヴァン杯横浜戦で今季公式戦初勝利を挙げた。刺激を受けた主力組は良い流れで、この日のホーム戦を迎えた。被シュート数は今季最少の5本。キャンプから鍛え続けた守備も機能した。

 清武とMF山口は試合後、W杯アジア最終予選UAE戦のために関西空港から敵地に向かった。「(C大阪が)勝ててよかった。それが一番」と山口が言えば、清武は「UAEには初戦で負けているし、アウェーで借りを返せる。勝ったら波に乗れるし、この一戦がすごい大事だと思う」と気を引き締めた。【中島万季】