アルビレックス新潟レディースの17年シーズンはスコアレスドローでのスタートになった。伊賀との今季開幕戦は0-0で終わった。相手の素早いアプローチに手を焼き、ゲームの主導権を明け渡した。放ったシュートは前半3本。風上に立った後半は、追い風を味方につけられず、シュート1本に終わった。

 不完全燃焼に終わった。試合終了後、選手たちは敗者のように無表情を決め込んだ。ホームで迎えた伊賀との開幕戦は0-0のスコアレスドロー。勝ち点1は取ったが、勝ち点3を奪えなかった。ゴール裏のサポーターへのあいさつは、上半身を90度に折った。「開幕戦は硬くなるから、期待しすぎてはいけなかったが…」と話した辛島啓珠監督(45)は引き分けに失望感を表した。「はっきり言って良くなかった。もう少しできるかなと思った。納得いかないゲーム」。

 セカンドボールへの反応が鈍く、ボールを拾われ2次攻撃を許した。寄せの速い相手にボールを失い、リズムも崩した。開幕戦の緊張もあったのだろう。昨年のU-17女子W杯の準優勝メンバー・MF唐橋万結(まゆ=17)は、チーム最年少でリーグ戦デビューしたが「体を動かせなかった。周りも見えなかった」と重圧に縛られながらのプレーを振り返った。

 主力の1人・MF八坂芽依(20)が2月17日に左ひざ前十字じん帯を損傷して全治7カ月。海外移籍を視野に入れるMF川村優理(27)もベンチから外れた。「ポジション的に試行錯誤している」という辛島監督はゲームの悪い流れを断ち切るため、試合中にポジション変更を繰り返した。前半途中にはボランチ唐橋を左サイドハーフへ。ボランチの上尾野辺めぐみ(31)も後半30分からトップに上がって得点を狙った。しかし、ゴールは遠かった。「ゴール前に行く回数が少なくて、物足りなさが残った」という上尾野辺の言葉が、スコアレスドローに終わった開幕戦を物語っていた。【涌井幹雄】