国際サッカー連盟(FIFA)は3月30日、出場枠が現行32から48へと大幅に拡大されることが決まっていた26年W杯(開催国は未定)の大陸別割り当て案を発表した。現行4・5のアジアは大幅増の8となった。FIFAのインファンティノ会長と6人の各大陸連盟会長が話し合って決めた。5月9日の理事会(バーレーン)で承認されれば決定となる。

 1月に一気に拡大された26年W杯の大陸別出場枠が、突如決まった。まだ案の段階だが、このまま5月の理事会で承認される見込み。18年ロシア、22年カタール大会に続く、9年後の大舞台。15歳の久保建英(たけふさ、東京ユース)が、25歳になる年に迎えるW杯に向けたアジアの枠は現行の4・5から8となる。日本にとって一気に、W杯出場のハードルは低くなる。

 大陸別の出場枠の割り当て決定は、ロシア、カタール両大会ともに15年5月とロシア大会予選が始まる直前だった。今回は驚くほどの早期決着となる。アフリカは5→9、北中米カリブ海は3・5→6、南米は4・5→6、オセアニアは0・5→1、欧州は13→16に増えた。開催国はこれまで通り自動的に出場できるが、大陸別の出場枠数はその分、引かれる。残り2枠は欧州を除く5連盟の6チームで争われるプレーオフで決定する。つまりアジアの9位にもチャンスが残る。

 26年大会の予選のシステムがどうなるか未定だが、仮にハリルジャパンが激戦を繰り広げる現行のアジア最終予選ならB組首位の日本はすでに突破決定。同5位イラクにも出場の目がある。他大陸では北中米カリブ海のカナダやハイチ、グアテマラ、オセアニアではタヒチなどもプレーオフに進むかもしれない。

 26年W杯の出場枠は48。最新のFIFAランキングでアジアの48位以内はイランと韓国の2チームだけで、6大会連続出場を目指している日本でも圏外の51位。現状のアジアの評価からすると「3・5増」は破格の扱いだ。昨年、中国企業が協賛社の最高ランクである「FIFAパートナー」となっている。アジアの経済力を今後も取り込みたいというFIFAの思惑が見え隠れする。

 いずれにしても日本には朗報。ただ、W杯の門戸が一気に拡大することで、世界最高峰の大会のレベルの低下も懸念される。