4年ぶりの静岡ダービーが今日1日、袋井市のエコパスタジアムで開催される。

清水エスパルスはGK六反勇治(29)が3月31日、かつて横浜でチームメートだった中村俊輔への恩返しを誓った。対戦成績はジュビロ磐田の22勝5分け17敗。プライドを懸けた戦いは、午後3時に始まる。

 六反は、中村俊との対戦を心待ちにしている。磐田の田中誠コーチ(41)とは、福岡でともにプレー。大神友明GKコーチ(46)は、福岡時代のGKコーチだった。静岡ダービーの重みも自覚しつつ、磐田との縁も含めて「(ダービーの)楽しみがいっぱいある」と静かに闘志を燃やしている。

 横浜で中村俊とともに練習を重ねた時間が、選手生活の糧になっている。週に2~3回の居残り練習で、シュートを受け続けた。「俊さんは体の使い方がうまい。常に自分のことを研究しているし、向上している」。食事をしながら、キッカーについて攻守両面から語り合ったこともある。横浜での3年間は、リーグ戦出場2試合と苦しかったが、レベルの高い練習で技術を磨き「成長を加速させてくれた要因」と感謝する。

 日本代表に初招集された仙台時代、15年10月3日の横浜戦(1-3)では、中村俊に直接FKを決められた苦い記憶がある。今季、清水は4試合4失点。すべてセットプレーが起点となっており、「弱点」とも言えるが、中村俊のプレーは頭に入れているという。「俊さんのプレーはイメージしやすい。セットプレーは(磐田の)得点源。俊さんのFKがあったら、止めないといけない」。

 六反が、中村俊への「恩返し」を果たせば、清水の勝利がグッと近づきそうだ。【保坂恭子】