J2湘南ベルマーレは1日、FW高山薫(28)が右ひざ前十字靱帯(じんたい)損傷で全治8カ月と診断されたと発表した。

 高山は3月25日のジェフユナイテッド千葉戦で、前半21分に右ひざを痛め、同43分にはピッチに倒れ込み、担架で運ばれた。2-0で勝った試合後は、ピッチに歩いて向かい、チームメートと勝利を喜び合った。試合後は「今日の試合の、あの時点で続行は無理だった。重くはないと思います」と語り、曹貴裁監督も会見で「検査しなければ分からないけれど、そんなに、ひどくはないと思っています」と語っていたが、その言葉とは裏腹の重傷だった。

 手術は4日に行う予定だが、無敗で首位を走る湘南にとって、快速ドリブルと果敢な仕掛けで今季チーム最多タイ2得点を決めた攻撃の軸で、主将でもある高山の戦線離脱は大きい。湘南はJ1で戦っていた16年も、序盤で主軸を失った痛い経験がある。MF菊地俊介が同3月24日の練習中に右ひざを痛め、高山同様、前十字靱帯(じんたい)損傷で全治8カ月と診断されて戦線を離脱した。菊地は、予定より早い同10月22日の大宮アルディージャ戦で復帰も、その試合でJ2降格が決定。中盤の軸だった菊地をシーズン序盤で失い、埋めきれなかった痛手の大きさを思い知ったシーズンとなった。

 ただ、曹監督が千葉戦後「そういうアクシデント含めて、チーム全体でシーズン通して戦っていかないといけない」と語ったように、16年と同じ轍(てつ)を踏むわけにはいかない。高山の離脱に対し、選手たちも「やれるメンバーでやるしかない」と覚悟を決めているという。千葉戦で高山に代わって出場し、リーグ戦初ゴールを決めたMF奈良輪雄太、愛媛FCから新加入のFW表原玄太ら、既存の攻撃陣の奮起と、曹監督の手腕が問われるシーズンとなりそうだ。

 湘南は2日にアウェーでカマタマーレ讃岐と対戦する。