アギーレ氏がメキシコ代表を率い、10年のW杯南アフリカ大会で16強に進出した時は欧州組が10人いた。

 アギーレ氏 バルセロナのラファエル・マルケス、ガラタサライのドスサントス、マンチェスターU移籍直前のチチャリート(エルナンデスの愛称)。彼らもクラブでは試合に出ていなかったが、批判も承知で呼んだ。母国でのんびりプレーするより、欧州にいた方が磨かれるからだ。もちろん、試合に出る11人は敵味方を分析した上で、勝つためのベストを選び抜かないといけない。状態に応じて圭佑をベンチに座らせることもニュースではない。ただし、23人は絶対だ。日本の最も中心的な選手で、相手にとって最も警戒すべき選手で、審判に最も影響を与えられる選手。世界で最も名前を知られている日本人だ。圭佑を招集外にする「ぜいたく」は、まだまだ日本にはできないはずだ。

 ハリルホジッチ監督は「試合に出ていない選手は呼ばない」と明言していた。その基準通りなら、スペインで試合に出ている乾(エイバル)が呼ばれ、本田や宇佐美(アウクスブルク)が招集外となったはず。「ブレている」との批判や疑問視する声も少なくない。

 アギーレ氏 その不信感は理解できる。ただ、メキシコで同じことを経験した立場として断言しよう。あらゆる議論に終止符を打てるだけのタレントを、圭佑は持っている。一線を画している。長谷部も(香川)真司も重要だが、最も大事なゴールを最も取っている(ハリルジャパン最多の9得点)本田の方が重要だ。