そこまで前指揮官に言わせる本田だが、定位置だった右FWを久保に奪われつつある。来年の6月に迫ったW杯ロシア大会へ、世代交代が加速しそうな情勢だ。

 アギーレ氏 自分も、大仁さん(当時の日本協会会長)には「ロシアで若い選手を入れる」と構想を伝えていた。スペインのラウルやシャビ、カシリャスにイングランドのルーニーら、トップ中のトップの選手たちが姿を消してきた。世の流れ、新陳代謝だ。でも圭佑はまだ30歳。ロシアまでは良いパフォーマンスを見せられるだろう。世代交代するだけなら簡単だが、入れ替えてもチームは勝たなければならないもの。何歳だろうが、力のある選手は起用すべき、呼ぶべきだ。影響力も含め、圭佑と同じクラスの選手は、まだ今の日本にはいないのだから。

 アギーレ氏の主張は論旨明快。2度のW杯16強を誇る名将の意見は一考に値するはずだ。【取材・構成=木下淳、山本孔一通信員】

 ◆ハビエル・アギーレ 1958年12月1日、メキシコ市生まれ。現役時代はMF、DFとしてメキシコ代表で活躍。自国開催の86年W杯で8強入り。95年に指導者となり、同国代表監督として02年W杯で16強に導いた。スペインのオサスナ、Aマドリード監督を歴任し、10年W杯で再びメキシコを率いて再び16強。その後はサラゴサ、エスパニョールを指揮した。14年8月に日本代表監督に就くも15年2月に解任。同年6月からUAEアルワフダを率いる。家族は夫人と3男。