小学生サッカー「春の日本一」を決める「JA全農杯チビリンピック小学生8人制サッカー」の北海道大会が8、9日の2日間、函館市で開催された。

 決勝でエスピーダ旭川が北海道コンサドーレ札幌を1-0で下し、初優勝を決めた。5月3~5日に横浜市の日産スタジアムで開催される全国決勝大会への出場権を獲得した。全国9ブロック大会は全日程を終え、代表チームが出そろった。

 試合終了のホイッスルがなった瞬間、ピッチに歓喜の輪が広がった。エスピーダ旭川が最後まで全員が走りきる一丸サッカーで初の全国大会出場を決めた。決勝の相手は、これまで8度の優勝を誇る強豪コンサドーレ。準決勝まで3試合15得点の攻撃力こそ封印されたが、攻守にわたる鋭い出足と個人技で互角の戦いを展開。第一ピリオドを両者無得点で終えて迎えた第二ピリオド開始1分に、相手ゴール前の混戦につめていたDF菅谷脩人の体にキーパーのクリアが当たり、そのままゴール。その後はコンサドーレの猛攻を受けたが、守備一辺倒に回らず何度もカウンターを仕掛け相手を慌てさせた。最後まで戦う姿勢を貫いた。

 殊勲の菅谷は「最後まであきらめずに走り切れ、やりきれ、と監督からいつもいわれている。つめていてよかった」。攻守の要としてチームを牽引した主将の柴田龍牙は「決勝戦は絶対勝つ、という強い気持ちで試合に臨みました。相手がボールをもったら何回も激しく奪いにいけ、と毎日いわれている。それができた。決定力と守備力をさらに高めて全国大会でも勝ちに行きたい」と気持ちを引き締めていた。

 エスピーダ旭川は、これまで北海道大会での優勝やフットサルの全国大会で準優勝経験はあるが、サッカーの全国大会出場は初。チームを立ち上げて7年目となる中川鉄平監督は「日ごろの練習では個の能力アップ、一対一の攻防に重点を置いていますが、それとあわせてメンタルの強さも重視しています。その2つがうちのベース。今日は選手たちが本当によくやってくれました」と教え子をたたえた。強豪相手に臆することなく戦いを挑み、強い気持ちで勝ち取った全国への切符に、ここまでの指導の手応えを感じ笑顔を見せていた。

 対戦結果は以下の通り

 ▽1回戦 SSS八雲2-1小樽中央FC、エスピーダ旭川5-3青葉・芦野・美原釧路ドリームFC、苫小牧泉野SC1-1(PK2-0)サンクFCくりやま、SSS札幌SS3-1北見オニオンキッドSSS、北海道コンサドーレ札幌7-0浜頓別SS、幕別札内FC2-0滝川明苑ジュニアFC、DOHTO Jr2-0サン・スポーツクラブ、FC DATE少年団3-0FC中標津

 ▽準々決勝 エスピーダ旭川9-1SSS八雲、SSS札幌SS9-0苫小牧泉野SC、北海道コンサドーレ札幌4-0幕別札内、FC DATE少年団3-1DOHTO Jr

 ▽準決勝 エスピーダ旭川1-0SSS札幌SS、北海道コンサドーレ札幌5-1FC DATE少年団

 ▽決勝 エスピーダ旭川1-0北海道コンサドーレ札幌

 全国決勝大会出場チームは以下の通り

 ▽北海道代表=エスピーダ旭川▽東北代表=青森FC(青森)▽関東代表=横浜F・マリノスプライマリー(神奈川)江南南サッカー少年団(埼玉)▽北信越代表=松本山雅FC(長野)▽東海代表=FCフェルボール愛知(愛知)▽関西代表=ディアブロッサ高田FC(奈良)▽中国代表=SSSFC(山口)▽四国代表=田宮ビクトリーサッカー少年団(徳島)▽九州代表=サガン鳥栖(佐賀)