東京ヴェルディのミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(59)は、5試合連続完封勝利をストップされての敗戦にも「今シーズン、1番いいプレーが出来た試合だったと思う」と手応えを口にした。

 総括 ビルドアップからコンビネーションを使って、いいプレーが出来た。いいプレーが出来ている時に、相手に1点を取られました。その時に(選手が)メンタル的に少し崩れたというか…ビルドアップからミスをして2失点目につながりました。後半はゲームを支配してゴールに迫ったが、2点目を取るのが遅すぎた。基本的に選手の姿勢だったり、僕たちのプレーに関しては満足しています。もう一方で、相手が、すごくいいチームで、いいプレーをしたということです。

 -ハーフタイムにどういう指示をした?

 前半に2失点しました。ずいぶん点を取られていない試合が多かったので、チームが少し下を向いた感じがしました。ハーフタイムは「いいプレーを続けないといけない。自信を持って自分たちのプレーをしよう」と言いました。後半は、いい入りをして巻き返せる力を持っていたと思いますが、CKからの失点が痛かった。

 -プレシーズンの1月に湘南ベルマーレ-福島ユナイテッドFC戦を視察した際「湘南は長い時間、かけて出来たチーム。我々は、そこまでいっていない」と語ったが、差はどこまで縮まった?

 湘南は、J1昇格候補のチームだと思う。上位4、5チームに入ってくるでしょう。彼らのアドバンテージは、何年間も同じプレースタイルでやっていること。僕たちは、まだ始動して3カ月…相手にアドバンテージがあると思います。ただ今日の東京Vのプレーには、とても満足している。具体的な差を言うのは、なかなか難しいが、今日に関して言うと相手よりいいプレーは出来ていた。ただ、サッカーで1番、大事なのは得点…それが足りていなかった。

 スペインリーグで20年、指揮を執ってきた知将ロティーナ監督は、1月の始動後、守備戦術の落とし込み、徹底に着手。連動した組織的守備を構築し、2月26日の徳島ヴォルティスとの開幕戦こそ敗れたものの、その後は5試合連続完封勝ちを続けてきた。堅守は破られたものの、J2屈指の連動性の高い攻撃を誇る湘南相手に、コンビネーションを交えた攻撃で対抗し、撃ち合いに持ち込めたことに手応えを感じている様子だった。【村上幸将】