攻撃の柱を欠き、王者に挑む。ベガルタ仙台は明日16日、ホームに鹿島アントラーズを迎える。ルヴァン杯でジュビロ磐田に快勝した勢いのまま臨みたかったが、同戦でチーム得点王のMF奥埜博亮(27)が右臀部(でんぶ)を負傷したことが14日、判明。鹿島戦を欠場する。さらに、MF富田晋伍主将(30)も体調不良で練習を欠席し、出場は不透明な状況だ。渡辺晋監督(43)は磐田戦で躍動したMF佐々木匠(たくみ、19)とFWクリスラン(25)に期待を込めた。

 主力2人が、試合2日前にもかかわらず練習場に姿を見せなかった。渡辺監督は「奥埜は負傷で次の鹿島は難しい。富田は体調不良。ギリギリまで粘って(判断する)。かぜのようなもの」と説明した。同監督が「王者」と表現する鹿島との一戦を前に、アクシデントが襲った。

 2得点の奥埜離脱は、得点力不足に悩むチームにとっては大きな痛手だ。しかし、ルヴァン杯・磐田戦(12日)でひと筋の光が差し込んだのも事実で「(前3枚のプランは)頭の中にありますよ。クリスと(佐々木)匠が候補。楽しみになるパフォーマンスをしてくれた」。磐田戦で得点した2人に期待を込める。

 磐田名波浩監督(44)に「素晴らしかった」と言わしめた、スーパーゴールを決めた佐々木は「ルヴァンと同じくいい準備をして、スタメンでも途中出場でも自分のプレーをするだけです」と臨戦態勢だ。

 もっとも鹿島には昨季2戦2勝。ホームではJ1通算4勝5敗と互角の争いを繰り広げている。指揮官は「(昨季の)勝利は隙を見せずに戦ったから。去年勝ったから大丈夫というわけではないが、選手にも勝ったイメージがある」。2試合とも「1-0」と僅差で勝利。「粘り強い戦いができている証明か」という報道陣の問いに、「おっしゃる通りです」とうなずいた。そして、力強くこう言った。「ここ(ホーム)で勝ちきったのも1つの事実」と、リーグ戦約1カ月ぶりの勝利を狙う。【秋吉裕介】