FC岐阜の大木武監督(55)は、湘南ベルマーレ戦後の会見で「日本サッカー協会で言うと“イメージの共有”…俺は初めて聞いたけれど、そういうことが出来るようになってきている。初めて使ったんですけど、いい言葉ですね」と、独特な言い回しでチームと選手の成長を評価した。

 大木監督は、選手が出来るようになった部分など、チームの成長について聞かれると「1月のスタートから始めて、少しずつ上がってきた感触がある。攻撃の仕方、どこから仕掛けるのか、どこまで運ぶのか」と言い、日本サッカー協会(JFA)を引き合いに、選手が攻撃面で共通認識を持ち始めていると語った。守備においても「どこでDFするか、イメージの共有が出来ていると選手に感じる。大体、こういう感じ…というところが選手が見えてきている」と評価した。

 大木監督の言葉通り、岐阜の選手たちは互いの距離を短く保ち、ショートパスを回し続け、そこにサイドチェンジを絡めるなど、湘南守備陣のプレスの逆、裏を突く攻めを一貫して続けた。前節までの順位は2位と14位と大きな開きがあったが、後半の岐阜は、J2屈指の攻撃力を誇る湘南を、むしろ攻撃で押し込み、後半の45分間で3ゴールを決めた。

 取材陣から「3得点はフィード、セットプレー(CK)、PK。ボールを大切にするサッカーの中で、こういうゴールが取れた手応えは?」と質問が飛んだ。大木監督は「セットプレーで取れる点は、流れ(で取った点)じゃないと言うけれど悪くない。PKも、相手がしんどいからPKになる。相手もガス欠になっていた。最後の最後、盛り返されたのは、頑張りを突き詰めていかないといけない。前半で、もう少し勇気のあるプレーをしないと」と選手に注文を付けた。【村上幸将】