鹿島アントラーズが、今季最多4得点を挙げて快勝し、2位に浮上した。

 GK曽ケ端準(37)と、MF小笠原満男(38)が先発出場して、J1通算500試合を達成。98年同期入団で、プロ20年目同士の2人が同ピッチで達成したことは奇跡的快挙となった。

 GKながら曽ケ端が、先制点の起点となった。ゴールキックをDF西大伍(29)が胸トラップ。華麗なドリブル突破からそのままゴールした技術に「大伍がうますぎた」と感謝。自身の記録に関しては「試合数を求めているのではない。これからもチームの勝利を導けるようにしたい。連敗していたので、そういう中で勝てて良かったです」。8日のリーグ戦セレッソ大阪戦は0-1、12日のアジア・チャンピオンズリーグではブリスベン(オーストラリア)に1-2。公式戦連敗ストップに達成感を得ていた。

 小笠原も攻守に奮闘した。試合後は「ソガに聞いて」と照れ笑いを浮かべながら、表情はうれしそう。プレーでも的確な危険察知で相手の攻撃を寸断し、後半14分にはイエローカード覚悟で速攻を止める状況判断で、勝利に貢献した。

 足首痛により4試合ぶりに試合復帰し、前半32分にPKを決めたFW金崎夢生(28)は「記念試合に出られて、すごいうれしいです」。同43分には小笠原と同じ東北出身のMF遠藤康(29)が左足で加点。途中出場のFWペドロ・ジュニオール(30)は、後半ロスタイムに右足で移籍後リーグ初得点を奪い「2人におめでとうと言いたい。ビッグクラブでこの数字を出すことは難しい。プロ意識の表れ。良い手本だし、近づきたい」と敬意を表した。

 先制点を決めた西も「まだまだいけちゃうということは、若いやつがだらしないということですよね」。2人の試合出場を脅かす、チーム全体のさらなる奮起に期待も寄せた。【鎌田直秀】