入団3年目の苦労人に本当の春が訪れた。なでしこリーグ、マイナビ仙台レディースDF万屋美穂(20)は、左サイドバックとして開幕から3試合フル出場。23日のホームでのノジマステラ神奈川相模原戦へ向け、19日は仙台市内で調整。「ようやくサッカーができている」と、苦しさを乗り越えた実感を込めた。

 兵庫・日ノ本学園高3年時に2度、左膝前十字靱帯(じんたい)を断裂した。入団1年目の15年はリハビリに多くを費やし、復帰したその年の12月の皇后杯で、今度は右膝前十字靱帯を切った。昨年もほぼ棒に振った。「出られるうれしさ。出られない選手の分だけ頑張る気持ちが大事」。ピッチの外から数十試合を見てきたからこそ、言えることがある。

 左利きで左足のキック精度は高い。スピードもあり、オーバーラップも武器。越後和男監督(51)は「(日本)代表に入る可能性がある。今年1年、力をしっかり出せば」と期待する。マイナビ仙台は開幕2勝1敗。万屋は「目指しているのは優勝。落としたくない試合」と、目の前の一戦に集中した。【久野朗】