天皇杯全日本サッカー選手権が、今日22日に開幕する。初出場のJ3アスルクラロ沼津(静岡県代表)は同日、1回戦でサウルコス福井(福井県代表)と、ホームの愛鷹広域公園多目的競技場で対戦する。

 選手は特別な思いで、この一戦に臨む。福井の望月一仁氏(59)は、14年シーズン(当時はJFL)に沼津を1年間指揮していたからだ。当時、ヘッドコーチを務めた沼津の吉田謙監督(47)は「いいプレーで恩返しができれば。静岡県代表としてしっかり戦いたい」。相手は北信越リーグに所属する格下だが、気の緩みはない。

 天皇杯では毎年、アマチュアがJクラブを破る番狂わせが起きている。今季からJクラブの一員になった沼津だが、挑戦者の気持ちは忘れていない。福井には、元沼津の4選手が在籍していることも踏まえ、DF尾崎瑛一郎主将(32)は言った。

 「隙を見せるとやられる。簡単な試合ではないけれど、ホームでできる特徴を生かしたい」

 全国に名を広げるチャンスでもある。1回戦に勝利すれば、2回戦はJ2京都と対戦する。県東部地区からの天皇杯出場は、ジヤトコの01年以来16年ぶりで沼津にとっては初の大舞台。吉田監督は「『東部にアスルクラロあり』というところを見せたい」と言った。地元の期待も背負い、勝利を目指す。【神谷亮磨】