昨年16強のホンダFC(JFL)は、冷や汗発進になった。滋賀県代表のびわこ成蹊スポーツ大に延長戦の末、3-1。1点を追う後半32分、MF富田湧也(25)が同点弾、延長前半にはMF大町将梧(24)が2ゴールで勝負を決めた。

 昨年大会、Jリーグ3クラブ(J2岐阜、松本、J3盛岡)を破った。16強入りの権利で今年は「ベストアマチュアシード」での出場。初戦の相手は格下の大学チームだったが、想定外の苦戦を強いられた。

 前半6分、中央を崩され、先制点を献上。相手はこの1点を守るべく、引いてゴール前を固めた。「じれずにやることを意識した」と大町。言葉通り、イレブンは小気味いいパスワークを重ね、チャンスを待った。後半もボール支配率で圧倒すると、同32分、右サイドからのクロスに富田が右足を合わせて同点。延長5分には大町が右足で決勝点を挙げ、同14分にもダメ押しの3点目を決めた。井端博康監督(42)は「試合をトータルで見れば自分たちのサッカーはできていた」と強調。大学生の勢いを、高い技術でいなす試合巧者ぶりを見せた。

 2回戦(6月21日)はJ1磐田と対戦する。県西部地区に拠点を置くクラブ同士の対決は日本リーグ時代に「天竜川決戦」と呼ばれた。大町は「簡単な相手ではないけれど、去年以上の成績を残したい」と言った。プライドを懸けた一戦を見据え、29日再開のリーグ戦に全力を注ぐ。【神谷亮磨】