熊本地震の被災地の復旧努力を広く国外にも発信するため29日、モナコ公国のサッカーチームでフランス1部リーグに所属するモナコのトゥールーズ戦が「熊本地震復興支援マッチ」と銘打ってモナコの本拠地で行われた。試合前やハーフタイムに復興に取り組む熊本県の映像が流され、PRキャラクター「くまモン」もピッチに登場して元気な熊本をアピールした。

 試合後には元首のアルベール2世公が、震災被害を伝える特設写真展を観覧。和服姿で出迎えた熊本県の小野泰輔副知事の説明に熱心に聞き入った。小野副知事は「一生懸命に写真を見てくださり、早い復興を願っていますとお言葉をいただいた」と感謝した。

 J2熊本のスポンサーが、親交の深いモナコに働きかけて実現した。モナコのメルメマレシャル・スポンサー担当部長は「シーズン中で例外的なことだが、こういう試合を開催できて名誉だ」とコメント。セレモニーに参加した日本サッカー協会の田嶋幸三会長は「多くの方々の協力で実現した。サッカーの力を感じている」と話した。

 モナコから熊本県に10万ユーロ(約1210万円)が寄付され、今後スポーツを通じた復興事業に使われる予定。試合はリーグ首位のモナコが3-1で快勝した。

 ◆小野泰輔・熊本県副知事 「震災の写真展を通じて熊本がどういう状況かということは知ってもらえたと思う。アルベール公も関心を持って写真を見てくださったし、ちゃんとお伝えできたことが良かった」。

 ◆田嶋幸三・日本サッカー協会会長 「さまざまな方々の努力があって、しかも(シーズンの)一番大事な時期で支援試合をしてくださる。こちらの人たちの心の広さにも感謝しなければいけないと思っている」。