川崎フロンターレの男性サポーター2人組が4月25日のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)のアウェー水原(韓国)戦で旭日旗を掲げ騒ぎになった件で、アジアサッカー連盟(AFC)は4日、川崎Fに1年間の執行猶予付きでAFC主催試合でのホーム戦1試合を無観客とする処分と罰金1万5000ドル(約165万円)を科した。

 日本協会によると日本のクラブが国際団体から無観客試合の厳罰を科せられたのは初めて。試合後に水原のサポーターが川崎F側の観客席の出口をふさぐ騒動になり、AFCは差別的な行為や観客の行動責任の規約に抵触するとした。AFCは執行猶予期間に同様の違反があった場合は無観客試合が施行され、新たな制裁も下すとした。

 13年には韓国で開催された日本代表戦で同様の騒動になったこともある。AFCはこれまで厳罰には踏み込まなかったが、安全な観戦を妨げる要因になるとの判断を示した。

 クラブの藁科(わらしな)義弘社長は川崎市内のクラブ事務所で対応し「フラッグが政治的、差別的なものでないと主張してきた。何の問題もないという結果を望んだが、そうならなかったのは不本意であり残念」と述べ、10日以内に処分理由の説明を求める文書をAFCに送ることを明かした。回答が届いてから3日以内に異議申し立てが可能だが、藁科社長は「回答が来てから。リーグや日本協会と情報共有しながら考えていきたい」と話した。

 旭日旗は戦前、日本の陸海軍旗として使用され、現在も陸上、海上の両自衛隊が用いる。韓国などでは「侵略の象徴」と受け止められる。サポーター男性は帰国後、謝罪し自ら観戦の自粛を申し出ている。