V・ファーレン長崎の高木琢也監督(49)は、ジェフユナイテッド千葉を相手に今季最多5失点の大敗を喫したことについて記者から聞かれ「(5失点が)0になるなら、してください」と言い一瞬、苦笑を浮かべつつも、失望と喪失感をにじませた。

 高木監督は、会見の冒頭から「サポーターの皆さんには、非常に申し訳ない試合をしてしまったな、という気持ちでいっぱいです。もちろん選手に対しても、もう少し何か出来たかな、という自分への反省もあります」と謝罪した。その上で「結果に関しては、しょうがない。0-5という数字を、残りの試合の中で何とか返していかないといけない」と語った。

 その言葉を受けて、記者から「0-5というのは、チーム最多失点ですが、その部分については?」という質問が出たことに対し、高木監督は0になるなら、してください」と返した。その上で「(0には)ならないので、借金を返すようなものですね。結構、高い利率…安いところから借りるわけ行かないが、アイデアを出して、もうけるように仕事しないといけない」と、独特の言いまわしで巻き返しを誓った。

 この試合まで2勝1分けと好調で、千葉の研究もしてきたが、この日、千葉が長身195センチのFW指宿洋史をターゲットに、ボールを当ててきて、ワイドに広がった清武功暉、船山貴之が動いてくると、DF陣が翻弄(ほんろう)された。高木監督は「守備は、前線の3人が幅を取るので、そこはスライドしなさいとDFに話していたが、やはり出来なかった。1番にテーマとして掲げた、スライドしての守備が出来ず、ズルズル下がってどうしようもなかった」と守備の問題点を口にした。

 攻撃面でも、千葉のハイプレスに遭い、その背後を1発で超えようとしたが「相手のボールになり、その繰り返し」(高木監督)と攻め手を欠いた。4月22日の愛媛FC戦以来、4戦ぶりの敗戦は、好守ともに自信を大きく失う結果となった。【村上幸将】