鹿島アントラーズは17本のシュートも報われず、1-2でヴィッセル神戸に敗れ、首位から陥落した。前半14分までに2失点した黒星以上に痛手となったのは、主力の負傷だった。

 前半35分、MF遠藤康(29)がゴール前に走って相手選手と接触した際に、左太もも裏肉離れで負傷交代。後半17分にはMFレオ・シルバ(31)が左足でシュートを放った際に左膝を痛めて、交代を余儀なくされた。レオ・シルバは試合後、松葉づえ姿で帰路につき「明日病院に行く。(復帰には)結構かかりそう」と説明。チームドクターの診断では半月板や内側側副靱帯(じんたい)を損傷している可能性もあるという。

 この試合ではDF植田直通(22)が右太もも痛で欠場。10日に行われたアジアチャンピオンズリーグ(ACL)のムアントン戦(カシマ)で、DF昌子源(24)も左足首を痛めて完調ではない。FWペドロ・ジュニオール(30)や金崎夢生(28)も足首に不安を抱えている。19日の次節川崎フロンターレ戦(等々力)だけでなく、初制覇に挑むACL決勝トーナメント1回戦広州恒大(中国)戦(23、30日)に大量離脱の可能性も出てきた。

 鈴木満常務取締役強化部長(59)も「MRIの結果を見ないと、どのくらいの損傷かは分からない。ムアントン戦と神戸戦を、ダブルでマネジメントしないといけなかった。休ませていない選手が、頑張りすぎたつけが回ってきた」と嘆いた。

 一方で、0-2の後半44分には、今季新加入でリーグ戦は3試合目出場と出番に恵まれていなかったMFレアンドロ(24)が、移籍後初ゴールを奪った。DF西大伍(29)の右クロスを左足でダイレクトシュート。「(トラップで)コントロールしたら相手が寄せてくる。ダイレクトプレーが唯一の選択肢だった。またチャンスをもらえるようにやりたいし、もらえたら手放さないパフォーマンスをしたい」。ブラジル代表のデビュー戦でゴールを決めた経験を持つ元セレソンが、少しずつチームにフィットしてきたことはプラス材料だった。【鎌田直秀】