川崎フロンターレがMF阿部浩之(27)の3戦連発などで鹿島アントラーズに3-0で快勝し、暫定3位に浮上した。昨季のチャンピオンシップ(CS)と天皇杯決勝で敗れた相手に鬼木監督に鍛えられた球際の激しさで対抗。シュート数は7対17ながら少ないチャンスをものにし、3戦連続完封と守備も光った。

 今季ガンバ大阪から加入した阿部がまたまた決めた。前半19分にカウンターを仕掛け、MF長谷川のシュートのこぼれ球に阿部が反応し、先制。同45分には阿部のシュートのこぼれ球を長谷川が流し込んだ。阿部は「2点目も自分で取りたかった」と苦笑し、「みんながよく自分を見てくれるようになって、やりやすいようにしてくれていることが結果につながっているかも」と手応えを口にした。

 G大阪では3冠を経験。タイトルまであと1歩の川崎Fを外から見て「競った試合になれば先に我慢負けしてしまう」と感じていた。勝者の精神を注入すべく、試合終盤も球際の激しさで仲間を引っ張ってきた。鬼木監督は「どこのポジションでもハードワークして点を取る。言うことはない」と目を細めた。

 後半は押し込まれ、シュート数で上回られても3戦連続無失点。FW小林は「フロンターレらしくないかもしれないが、戦う姿勢、勝ちたい気持ちは見せられた」と胸を張った。少ない好機をものにし、耐えて勝つ新たな戦い方が川崎Fに加わった。【岩田千代巳】