FC東京の元日本代表MF石川直宏(36)が2日、今季限りで現役引退すると発表した。

 ブログに「皆さんにご報告があります。今シーズンをもって現役引退を決意し、6月下旬にクラブへその意思を伝えさせていただきました。ここまで痛めている左膝のリハビリを復活に向けて取り組んできましたが、思っていた以上の回復が出来ていないこと、そしてピッチの上でチームの力になかなかなれないもどかしさがある中で、残りのシーズンを今まで以上に強い覚悟と責任、誇りをもって出し尽くしたい想いが強くなったのが決断の経緯になります」などとつづった。

 石川は横浜F・マリノスの下部組織から00年にトップ昇格。02年4月に当時原博実監督の東京へ期限付き移籍し、翌03年8月に完全移籍してから16シーズン、青赤のユニホームをまとい続けた。「ナオ」の愛称で親しまれたクラブの象徴的存在。精神的な支柱としてもチームをまとめ上げてきたが、リーグ戦には2年以上、出場できない状態が続いていた。

 理由は、本人もブログにも書いた通り度重なる大けがだった。15年8月のドイツ遠征フランクフルト戦で左膝前十字靱帯(じんたい)を断裂。長く、つらいリハビリをへて実戦復帰が見えかけた昨年7月には左膝の半月板を損傷した。それでも、気を持ち直して同9月のJ3ブラウブリッツ秋田戦で418日ぶりの公式戦復帰。しかし、痛みと腫れが出てJ1復帰は白紙になり、キャリア初のリーグ戦出場ゼロに終わった。今季も懸命にリハビリを続けているが、まだ試合に出られる状態まで回復していなかった。

 その中でユニホームを脱ぐことを決めた。この日夕方に引退会見を開き、決断に至った経緯やサポーターへの感謝を自らの口でするつもりだ。