J2の京都サンガFCが2日、日本人初のプロのホペイロとして活躍してきた松浦紀典氏(46)と契約したと発表した。松浦氏は昨年末、J2に降格した名古屋を契約満了で退団しフリーだった。早速チームに合流し、仕事をスタートさせる。

 所属クラブのなかったこの半年は、個人的につながりの深い選手のスパイクなどをケアし続けてきた。愛知県内に商売道具を保管する倉庫を借り、これまで通りの仕事を続けてきた。その徹底した姿勢に京都が注目しオファー。松浦氏も即答し、晴れて京都にプロのホペイロが誕生した。

 名古屋から京都へは、昨オフに多くの主力級の選手が移籍した。松浦氏を慕う元日本代表DF田中マルクス闘莉王らもおり、チームにとってはあらゆる面で、相乗効果が見込めそうだ。

 この夏の移籍期間にJリーグでは、神戸が元ドイツ代表FWポドルスキを獲得するなど大きな動きがある。クラブのスタッフにこの移籍期間は関係ないが、J1昇格を目指す京都にとってはこれ以上ない“補強”となる。

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 「ホペイロ」とはポルトガル語でスパイク、ユニホームなどすべての用具を管理、準備する専門職のこと。南米や欧州ではプロが在籍しているが、Jリーグのクラブでは、まだ他の仕事と兼務している例が多い。

 松浦氏は日本の第一人者で、93年にヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)で仕事を始め、03年に名古屋グランパスに加入。プロのホペイロとして今季が25年目のシーズンに当たる。