ジュビロ磐田が3試合ぶりの白星を挙げた。ホームで大宮アルディージャに2-1。前半20分、MF中村俊輔(39)がFKで先制。自身の持つJ1最多直接FK得点を「24」に更新した。同28分には、MFムサエフ(28)が2試合連続の今季4点目をマーク。守備陣も最少失点に抑え、チームでDF大井健太郎(33)の不在を乗り切った。30日の次節は、アウェーで東京と対戦する。

 磐田が3試合ぶりの歓喜に酔いしれた。開幕から全26試合でフルタイム出場を続けてきたDF大井ゲーム主将を故障で欠く中、勝ち点3を獲得。大黒柱の中村俊は「後半のゲーム運びは良いものではなかった。ただ、健太郎がいない中で勝ち点3を取れたこと。その結果は悪くなかったと思う」と言った。

 前半20分、中村俊がチームに勢いを与えた。FKを獲得。ゴールまで約30メートル、正面からやや左にボールをセットした。「直接というよりも、GKがはじいたリバウンド狙いだった」。その思いで放った低弾道が、DF高橋祥平(25)と競り合った大宮MF大山啓輔(22)に当たり、そのままネットに刺さった。

 中村俊は「ミスキックだね。こういうゴールも初めて。ただ、ゴールはゴールだから」と言ったが、決まった直後は歓喜。駆け寄る仲間と「ゆりかごダンス」を披露し、今月10日の第5子誕生を自ら祝った。「アダ(イウトン)と(小川)大貴の子どもも含めて家族に敬意を払いました」。

 同28分には、高橋の縦パスをFW川又堅碁(27)の落としからMFムサエフが抜け出して追加点。守備陣も大井の代役、DF藤田義明(34)を中心に耐えて1失点で乗り切った。2試合連続で6本と少なかったシュート数も14本に増加。名波浩監督(44)は「チームに競争意識も生まれているし、全員が勝ち点3を目掛けてやろうとしている」と強調した。現在6位で残り7試合。5位横浜との勝ち点差は5から2に縮まった。チーム一丸で1つでも上位を目指す。【前田和哉】