なでしこリーグINAC神戸レオネッサFW大野忍(33)が24日、都内で行われたイベントに参加した。

 イベントは大野も会員に名を連ねる、スペインリーグ・バルセロナの日本唯一の公認サポーターズクラブ「ペーニャ」(https://www.penya-barcelona-japan.com/)が実施したもので、約1時間30分のトークショーなどで参加者と交流した。

 23日は、リーグ戦で日テレ・ベレーザに0-2と敗れ、目の前でライバルのなでしこリーグ3連覇を決められた。しかも大野は、最初から最後までベンチで見届けることになり「これまでにないぐらい悔しくて、何もできずに残念だった」と振り返った。

 なでしこリーグ通算で歴代最多の180ゴール、なでしこジャパンでも40ゴールを奪ってきたストライカーが、リーグ優勝の決まる試合のピッチに立つことができなかった。それでも「外から声を出すぐらいしかできなかったけど、自分も試合に出ている時に、出られない選手の声がよく聞こえていたので、声だけは出すようにしていた。うなずく選手もいて、ゴールを取りに行く姿勢は見えた」と、来季につながる姿勢が見えたと評した。また、トークショーの司会を務めた山田トレーナーから、前日の日テレ・ベレーザ戦では、若手選手と一緒に、試合後に散乱していたペットボトルを拾って片付けるなど、裏方仕事も精力的にこなしていたことを明かされると、参加者から大きな拍手がわき起こった。

 イベントでは最も印象に残っているゴールが、銀メダルを獲得した12年ロンドン五輪準々決勝ブラジル戦のミドルシュートであることなどを明かした。他にも将来は指導者を目指していること、国際試合ではあざだらけになることもあり、翌朝は「起き上がるのもしんどかった」という状態だったことなども話し、参加者は興味津々に聞き入っていた。

 イベント後は「すごく新鮮で楽しかったです」と、満面の笑みを見せて振り返った。それでも、現在のなでしこジャパンについては「もう少し勝敗にこだわりを持ってほしい。周りからは『今の代表選手は本当に勝ちたいと思っているのか見えない』『らしくない』という声も聞こえる。がむしゃらに一生懸命、勝利を目指すのが、なでしこの良いところ。それが、サッカーを知らない人の心にも響くのだと思う」と話した。米国など、FIFAランク上位国が集まった今夏の4カ国対抗国際親善試合で、1分け2敗の未勝利に終わるなど、結果が出ていない現在の代表の強化を願い、あえて苦言も呈していた。