ヴィッセル神戸が主力流出の危機に見舞われた。リオデジャネイロ五輪代表のDF岩波拓也(23)とFW小川慶治朗(25)の下部組織からの生え抜き2人が、今季限りで退団する可能性が高いことが4日、分かった。

 今季終了後に契約満了となる岩波はこの日「まだ何も決めていません」と話したが、退団を視野に入れており、他クラブの争奪戦になることは必至。小川も複数クラブから水面下で打診を受けており、流出は避けられない状況になった。

 神戸は8月16日にネルシーニョ監督を解任すると同時に、田中健一社長ら幹部の関連企業への配置転換を断行した。7月初旬には安達亮強化本部長に解任通告しながら、クラブ側が一部違約金の支払いを拒否。関係者によれば両者の話し合いは平行線をたどっており、在籍選手の契約交渉や来季編成など、フロントが機能不全に陥っている。先月末には選手への説明会が行われたが、他にも退団を希望する選手が出ているという。

 今季、岩波は守備の要としてリーグ23試合1得点。永島昭浩、大久保嘉人(現東京)らがつけた、エースの称号となる13番を背負う小川は19試合1得点。ユース出身の看板選手2人が退団となれば大きな痛手だ。