ベテランのゴールでJ2降格を回避する。アルビレックス新潟は今日21日の第30節、ジュビロ磐田

とアウェーのヤマハスタジアムで対戦する。MF小川佳純(33)が2試合連続ゴールを狙う。前節ガンバ大阪戦ではサガン鳥栖から移籍後初ゴールを決め1-0の勝利。チームを降格の危機から救った。新潟は勝ち点15の最下位18位で、今節は勝っても降格の可能性がある。厳しい状況の中、必須の勝ち点3を挙げるために小川が軸になる。

 大一番を前に、MF小川は落ち着いている。「勝たなければならない状況に変わりはない。勝つだけ」。新潟は試合前日のこの日の練習は、ウオーミングアップのみを公開。その後は非公開でセットプレーの確認を行った。

 小川は「自分のところにチャンスが来たらゴールを決める」と、シンプルで強い思いを抱く。G大阪戦では決勝ゴールを挙げ、チームに17試合ぶりの白星をもたらした。「あのときはホッとしたが、状況は厳しいままなので」。崖っぷちに立たされていることに変わりはない。すぐに気持ちは切りかわった。

 「自分が得点しなくても、誰かが取って勝てばそれでいい」。2試合連続ゴールで勝利に導くことが理想だが、どんな形でも勝つことが最優先だ。磐田戦に向けた今週の練習ではリーダーシップを発揮してきた。「相手の人数がそろっているところを攻めるくせがある。1度ボランチに預けて立て直す判断が必要」。状況を判断し、攻め急ぎしない。冷静さを失わずにチームをコントロールする役目を果たす。

 練習場には最初に姿を見せ現れ、呂比須ワグナー監督(48)と話し合う。「世間話が多いですよ」と、さりげなく雰囲気づくりもした。呂比須監督は「小川はもっとできる。頭のいい選手」と実力を認める。磐田戦では「中村俊輔(39)が自分のゾーンに来たら止めてほしい」と、相手のエース封じも期待する。

 小川は昨季、名古屋グランパスでJ2降格の屈辱を味わった。ホーム最終戦で湘南ベルマーレに敗れ、降格が決まったピッチに立っていた。悔しさを2年続けるわけにはいかない。「あきらめずに戦うだけ」。その決意を胸に運命のピッチに立つ。【斎藤慎一郎】

<今節の降格可能性>

 新潟は第30節(21日)でJ2降格が決定する可能性がある。影響を及ぼすチームは21日に試合がある14位清水、15位甲府、16位広島、17位大宮。

 ◆勝利の場合 新潟は勝ち点18になり、残り4試合で最大勝ち点30だが、次の条件を満たされると勝っても降格が決まる。(1)14位清水(現勝ち点29)15位甲府(同28)がともに勝った場合

 ◆引き分けの場合 新潟は勝ち点は16になり、残り4試合で最大勝ち点28。次の3パターンのうち、いずれか1つを満たされると降格。(1)15位甲府が勝つか引き分け(2)16位広島(現勝ち点27)が勝利(3)17位大宮(同23)が勝利※大宮は第33節(11月26日)で甲府と対戦する。そのため、大宮が第30節で勝利した時点で、大宮と甲府のどちらかが必ず勝ち点29以上になる状況が生まれ、新潟はJ1残留圏の15位以内に入る可能性がなくなる。

 ◆敗戦の場合 他チームの結果に関係なく降格決定