川崎フロンターレが、敵地でサンフレッェ広島を下した。鹿島が敗れたため、首位鹿島との勝ち点差は2に縮まった。

 9月23日の神戸戦で、MF大島僚太(24)とMF阿部浩之(28)が負傷離脱。今節は、攻撃の要のMF家長昭博(31)とボランチのMFエドゥアルド・ネット(28)が累積警告による出場停止で、苦しい台所事情での一戦だった。エドゥアルド・ネットに代わり、センターバックが主戦場のDF谷口彰悟(26)が4月末のC大阪戦以来、半年ぶりにボランチに入り、先制点を含む2得点に絡む活躍でチームの勝利に貢献した。

 前半40分、MF中村憲剛(36)のFKを相手GKがファンブル。ゴール前に詰めていた谷口が右足で流し込んで先制。前半終了間際には、谷口を起点にDF奈良竜樹(24)、MF中村とつなぎ、最後はFW三好康児(20)の今季初得点で加点。後半40分には、途中出場のGK新井章太(28)のロングフィードに抜けだしたFW小林悠(30)がダメ押し点を決めた。

 相手に押し込まれる場面も多く、ボール保持率も相手より下だったが、しぶとく勝ち点3を手にした。鬼木達監督(43)は「ゲームは決して簡単ではなく、自分たちのサッカーができたかといば、そうではなかった。勝たなくてはいけないゲームで、いろんなパターンで得点して0で抑えて勝てたことが成長。勝ちきったことがすべて」と話した。

 指揮官は、ボランチ起用した谷口について「彼はセンターバックでやってますが、ボランチでもやれる能力は十分ある。真ん中で落ち着きを与えてくれて、彼らしさを出してくれた。もっと伸びる思いはある」とたたえていた。