横浜F・マリノスが3-2で首位鹿島アントラーズを破り、3位に浮上した。

 前半3分、FW伊藤翔(29)が左CKをヘディングで合わせ、ゴール左隅に今季初得点を決めて先制。同14分には、先制点をアシストしたMF天野純(26)が、相手DF植田のトラップミスを見逃さなかった。一瞬の隙を突いて、ゴール前でボールを奪うと、GKと1対1となり冷静に決めた。

 その後の連続失点で、一時は同点とされたが、後半29分、ペナルティーエリア内左寄りで受けたMF遠藤渓太(19)が反転から右足でシュートを放ち、リーグ戦ではホーム初ゴールとなる決勝点を奪った。シュート数は横浜F・マリノスの10本に対し、相手に21本と2倍以上打たれながらも、リーグ戦では5年ぶりに鹿島アントラーズに勝利した。

 伊藤は「CKは昨日(20日)から感触はよかった。久しぶりで、早い時間に決めたかったので入ってよかった。相手のセンターバック2人は代表で、いい選手だと思うけど、チームが勝てばいいと思っていた」と話した。得点以外にも前戦からの守備や体を張ったポストプレーなどで勝利に貢献。試合後には、ケガの治療で19日にポルトガルに帰国したFWウーゴ・ヴィエイラから連絡が入ったといい、伊藤は「ウーゴから『見てたよ』とLINE(ライン)が入っていた。ウーゴに届けばと思っていたのでよかった」と、ポジションを争うライバルながら、仲の良いチームメートからの祝福を喜んだ。

 また遠藤は、試合直後のヒーローインタビューでは「オウンゴール」と伝えられ、ショックな様子をのぞかせたが、その後、記録が訂正されたことに「そんなに喜べないかと思っていたのでよかった。(ゴールシーンは)感覚的にターンした」と振り返った。

 DF中沢は「どんな内容でも勝つことが大事。やっぱりリーグ戦は、最後まで、もつれる展開の方がいいし、鹿島の独走をさせたくなかった」と、試合終了直後には両手で力強くつくったガッツポーズを振り返っていた。