ガンバ大阪の元日本代表MF遠藤保仁(37)が、今季限りで退団する可能性があることが14日、分かった。契約は18年まで残っているが、出身地九州のクラブで来季のJ1昇格が決定したV・ファーレン長崎とJ2アビスパ福岡、99年から2年間在籍したJ2京都サンガFCが違約金の支払いも含めて獲得調査に乗り出している。

 遠藤は01年に京都から加入。入団以降はG大阪が獲得した全9タイトルで中心選手として貢献した。05年に初タイトルとなるJ1制覇、08年にはACL優勝に導き、MVPも獲得した。12年にJ2降格が決定した際は即残留を表明し、1年での昇格に尽力。14年度には国内3冠を達成し年間MVPに輝き、15年度も天皇杯連覇といずれも主将としてけん引した。背番号7を背負い、日本代表では国際Aマッチ歴代最多152試合に出場。W杯に3大会連続で出場したクラブの顔だ。

 だが、今季はMF井手口ら若手の台頭やコンディション不良などで徐々に出場時間を減らし、ここまで28試合1得点。シーズン中盤にはベンチを温めて出番がない時もあった。新監督就任が決定的となっているレビークルピ氏(64=ブラジル)は若手を積極的に起用する方針で、来年1月で38歳になる遠藤はより激しいポジション争いにさらされることが予想される。そこで経験値を求める長崎や福岡、京都が調査に動きだした。

 それでも年齢を重ねたとはいえ、クラブにとって絶対的な存在。今後、残留するか、退団するのか、両者による話し合いが行われる見込みで、G大阪のレジェンドの去就が注目される。

 ◆遠藤保仁(えんどう・やすひと)1980年(昭55)1月28日、鹿児島・桜島町(現鹿児島市)生まれ。鹿児島実高から98年横浜F入団。京都を経て01年G大阪移籍。J1通算565試合101得点。日本代表では02年11月20日アルゼンチン戦に初出場。W杯は06年から3大会連続メンバー入り。国際Aマッチ歴代最多出場の152試合15得点。178センチ、75キロ。推定年俸1億5000万円。