J1残留、今日こそ決める。北海道コンサドーレ札幌は18日、14位清水エスパルスと敵地のIAIスタジアム日本平で対戦する。勝てば16年ぶり2度目のJ1残留確定の一戦は、リーグ戦中断期間中に持病のてんかんを公表したFWジェイ(35)の6試合連続先発が濃厚。負けても16位広島の結果次第で残留が決まるが、ジェイは2試合ぶりのゴールですんなり勝って、残留決定の主役を狙う。

 駿河湾を見下ろす晴天の下で、札幌FWジェイが大一番への準備を完了した。「(コンディションは)Fine! Good! 天気も良いしね。試合が楽しみ」。試合前日の17日、静岡市内のグラウンドでゲーム形式の練習やセットプレーで汗を流した背番号48は、輝く太陽にも負けないまぶしい笑顔を見せた。

 リーグ戦中断期間の今月4日、練習中にてんかんの発作で意識を失い、救急搬送された。薬を飲み忘れたことが原因だった。「バカな失敗だった。これからは、もう忘れないよ」。人知れず付き合ってきた病を告白するきっかけとなった。

 大きな反響があった。「いろいろな人から連絡があった。今まで(てんかんであることを)恥ずかしくて隠してきた人からは『ジェイが、てんかんでも何でも出来るんだと言ってくれて、考え方が変わった』と。日本人はこの病を、恥じて隠している人が多いようだけど、そんなことはない」。4日後にはピッチに戻り、清水戦に備えてきた。もともと社会貢献活動に熱心だったが「チャリティーを作ろうと思っていて(3試合4得点で受賞の10月)月間MVPの賞金も寄付したいと思っているんだ」と、てんかん患者への支援も構想中だ。

 「最初からSurvive(生き残る)ではなく、どれくらい上の順位へ行けるかだと思って戦っている。勝つために、ここへ来た」。最強助っ人にかかれば、J1残留など取るに足りない。2試合ぶりのジェイ弾で、残留争いに幕を引く。【中島宙恵】