全国高校サッカー選手権(12月30日開幕、埼玉スタジアムほか)の組み合わせ抽選会が20日、都内で行われた。連覇に挑む青森山田DF小山内慎一郎主将(3年)に、同校として2年連続となる選手宣誓が決定。初戦2回戦(来年1月2日)で草津東(滋賀)との対戦決定直後、思わぬ大役に驚きの表情を隠せなかった。

 手に汗どころか、全身から大量の汗が噴き出してきた。青森山田の小山内主将は、壇上で応援マネジャーの女優高橋ひかるが「1番です」と笑顔を見せる一方、極めて異例の2年連続同校選手宣誓に会場がどよめく中「まさか…」と固まった。壇上に呼ばれ「2年連続はないだろうと思っていたので、自分が一番驚いています。持っていると言いたいところですけれど…」。苦笑いしながら、黒の学生服の袖で汗をぬぐった。

 昨年は、住永翔(かける、現明大1年)主将が「パルティード・ア・パルティード」(1戦1戦を全力で戦う意)と、前代未聞のスペイン語を交えた宣誓で印象を残した。「自分なりに考えて、違ったフレーズで残していきたい」。過去には部活代表として約1000人を前にあいさつした経験はあるが、選手宣誓は生涯初。黒田剛監督(47)は報道陣に言葉の案を問われ「W杯があるからロシア語? それじゃあ何言っているか分からないか。名誉なこと。確率はどのくらい?」と、2116分の1の“奇跡”を歓迎した。

 小山内には、主将就任時に前主将から伝えられた「プレッシャーに負けるな」の言葉が今でも心に刻まれている。高校総体で重圧に負け3回戦敗退。プレミアリーグEASTでは残り3節を残して2位につけ、連覇達成を選手権につなげるつもりだ。「いろいろな大会でのプレッシャーだけでなく、まさか選手宣誓までとは。翔さんには追いつけないですけれど、プレミアと選手権(の優勝)、宣誓の大役は堂々と果たしたい」。草津東との2回戦の前に、昨年同様に選手宣誓を優勝への号砲とする。【鎌田直秀】