J1残留争いに巻き込まれている清水エスパルスに、不運なアクシデントが重なった。21日、清水三保グラウンドで次節26日のアルビレックス新潟戦に向けて、全体練習を再開。19日の練習試合で負傷したMF枝村匠馬(31)とMF村田和哉(29)はグラウンドに姿を現さず、今季中の復帰は絶望的。さらにエースFW鄭大世(33)が胸の痛みを訴えて、練習を途中で切り上げる緊急事態も発生した。

 

 ホーム最終戦となる新潟戦に向けた練習後、小林伸二監督(57)は「選手が戻ってきて、いい感じだと思っていたけど、また(けが人が)バラバラと…」と胸中を明かした。

 先週は22人のフィールドプレーヤーが練習に参加していたが、この日は18人に減少。19日の練習試合JFLホンダFC戦で負傷した2人は、今シーズン中の復帰は絶望的だ。村田は、左太もも裏の肉離れと診断された。小林監督は「大腿(だいたい)二頭筋なので(完治に)少し時間がかかると思う」。枝村は接触プレーで右足首を捻挫し、全治2~3週間の見込み。主にサイドをこなす2人の離脱に加え、次節ホーム最終戦の新潟戦はMF白崎凌兵(24)が出場停止。チームにとって、不運が重なった。

 さらにこの日、練習冒頭で毎週恒例のランニングが始まると、鄭が約1周したところで胸を押さえて立ち止まった。痛みを訴え、トレーナーが脈を測ったが弱かったという。会話はできる状態で、少し休んだ後で本人は「もう1周やります」と話したが小林監督が遮り、練習を切り上げさせた。鄭は「初めてのこと。朝から、深呼吸したら(胸が)痛かった」と話し、トレーナーとともに病院に向かった。検査結果の異常がなければ、すぐに練習を再開する見通しだ。

 次節新潟戦は、J1残留をかけた重要な一戦。指揮官は「他力ではない。勝てば自力で決められるので、元気を出して練習していく」と言い聞かせるように話した。【保坂恭子】