湘南ベルマーレが25日、曹貴裁監督(48)が18年も続投し、7季目の指揮を執ることを正式に発表した。前身の藤和不動産サッカー部、フジタ工業サッカー部時代を含め、クラブ史上、監督7季はクラブ史上、最長となる。

 曹監督はクラブを通じてコメントを発表した。

「2018シーズンも引き続きチームの指揮を執ることとなりました。思いだけでは乗り切ることのできないJ1の舞台で、エネルギーにあふれ躍動し、かつ勝利を追求したフットボールをピッチで表現する、そのチャレンジに選手、スタッフとともに再び挑んでいきます。これまで以上にピッチに立つ選手と声援を送ってくださるサポーター、そしてクラブを支援してくださる企業の方々で同じ価値観を共有し、我々の魅力を作り出し、世界に発信していきましょう。2018シーズンもよろしくお願いします」

 曹監督は12年にコーチから監督に昇格し、クラブを同年、14年、今季と3度、J1昇格に導き、今季は14年以来、2度目のJ2優勝を成し遂げた。その間、圧倒的な走力を軸に、局面で相手を上回り、一気呵成(かせい)に縦に速く攻める“湘南スタイル”を確立した。

 例年、主力の引き抜きが続く中、今季も下部組織から生え抜きのMF菊池大介(26)が浦和、DF三竿雄斗(26)が鹿島アントラーズに移籍。14年の昇格を経験したメンバーで残ったのはMF菊地俊介(26)、FC東京から2年ぶりに復帰したGK秋元陽太(30)、MF藤田征也(30)、DF島村毅(32)らしかおらず、開幕直後から「0からのスタート」を掲げた。

 その中、2年連続で主将を務めたFW高山薫(29)が、3月25日のジェフユナイテッド千葉戦で右ひざを故障。前十字靱帯(じんたい)を損傷で全治8カ月の重傷を負い、開幕からわずか5試合で戦線を離脱。さらに高山から主将を引き継いだ菊地も、5月27日のモンテディオ山形戦後、右太ももの違和感から戦列を離れ、9月30後のツエーゲン金沢戦で復帰まで4カ月もかかるなど大黒柱2人が離脱。苦境に立たされながら、柏レイソルから移籍したMF秋野央樹(23)ら新戦力を鍛え抜き、7月8日の第22節・大分トリニータ戦以降、首位を譲らず、1年でのJ1復帰とJ2優勝を勝ち取った。

 18年は、藤和不動産サッカー部から数えて、クラブ創立50周年のメモリアルイヤーとなる。曹監督は記念すべき年に、0から鍛え上げてJ2を制したチームと、監督として2度の降格を味わったJ1に、捲土(けんど)重来を期して挑む。