リーグタイトルを獲得した川崎フロンターレは6日、DF井川祐輔(35)、MF狩野健太(31)、FW大塚翔平(27)、MF可児壮隆(26)の4選手の契約満了を発表した。川崎Fで12年にわたりプレーした井川はこの日、神奈川・川崎市内の練習場での自主トレーニング後に取材に応じ、最後の年で味わった優勝に「勝手な個人的な意見ですけど、神様が最後にプレゼントをくれたのかなと。みんなから(優勝を)プレゼントをしてもらった。いろいろな思いが込み上げてきた瞬間でしたし、念願のタイトルを憲剛さんがいるときにとれたのは幸せ」と話した。今後は、現役続行を視野に「自分にとって、今後何をしたいのか考えながらやりたい」と明かした。

 井川は01年、ガンバ大阪からプロ生活をスタートさせ、サンフレッチェ広島、名古屋グランパスを経て、08年に川崎Fに加入。川崎Fではリーグ戦で259試合(3得点)に出場した。今年は3月にアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の広州恒大(中国)戦で負傷し、右膝内側々副靭帯損傷で全治4カ月のけがと戦った。負傷も「これが僕の人生だったので。それをポジティブにとらえて、けがをしたからこそ、ケガをした人のつらさが分かるし、ポジティブにとらえていた」と毅然(きぜん)と話した。

 11年は主将も務めた。現在の主将のFW小林悠(30)に触れ「(伊藤)宏樹さん、憲剛さん(中村)も主将をした中で、悠(小林)がこういう活躍して、多大なる重圧があった中で、結果を残したのは素晴らしいと思う。気持ちよく、バトンタッチというか、次の世代にフロンターレを任せられるなとあらためて思った」。さらに「僕の中ではフロンターレの第1章は終わったと思ってますし、タイトルをとれたので、ここから第2章が始まる。若手たちが黄金時代を築いてくれると思います」と期待を寄せた。

 加入当時に比べ、新しいクラブハウスが建てられ、スタジアムも改修を経て、収容人数も大きく変わった。「クラブの成長に携われたのは幸せ。これからもっと大きくなっていかないといけないクラブ。次は外から見守りたいと思います」と話し「いずれまた、フロンターレに携わりたいと思ってますし、携わらせてほしいと思っているので、何かしらフロンターレの力になれれば」と将来を見据えていた。