注目の若きストライカーをとる。北海道コンサドーレ札幌がJ2徳島ヴォルティスFW渡大生(24)の獲得に乗り出したことが10日、分かった。この日、クラブ側が本人と直接会って交渉を行い、正式にオファーを出した。12年のJデビューから通算59ゴール。今季はJ2でリーグ2位、日本人最多の23ゴールを決めた。決定力を期待される6年目の成長株に仙台や広島も興味を示しており、激しい争奪戦が予想される。

 札幌が今オフの移籍市場の目玉、渡の争奪戦に名乗りを上げた。この日、本人との直接交渉を行った。正式オファーを出し、獲得の意思を伝えた。渡自身も広島皆実高3年時の11年に、札幌の練習生としてチームの練習に参加した経験を持つ。三上大勝GM(46)は「高校時代から練習にも呼んだし、北九州や徳島に行っても引き続き見てきた」とアピールした。

 抜群の決定力を持つ24歳。今季はJ2で横浜FCのFWイバに2点差に迫る23ゴールをマークし、日本人で最も得点を奪った。J2が年間42試合となった12年以降で20得点以上の日本人は、14年に26得点した元日本代表、京都FW大黒以来2人目の快挙。伸びしろも十分あり、同GMは「さらに成長させる自信がある」と話す。ミハイロ・ペトロビッチ新監督(60)も「まだ成長させてあげられる」と、クラブ幹部に伝えているという。

 渡が加入すれば攻撃力アップにつながる。スピードもあり、相手DFの裏に抜け出す動きやドリブルでの突破力もある。札幌は3-4-3のシステムで今季チーム得点王のFWジェイや都倉を生かすシャドーの位置での起用を構想。バリエーションも増えれば、攻撃の厚みが増すことになる。

 今季リーグ12位仙台や15位広島も獲得に乗り出す模様で、他チームにとっても欲しい人材であることは間違いない。札幌はJ1定着を目指すうえでも、成長著しいストライカー獲得を成功させたい。

 ◆渡大生(わたり・だいき)1993年6月25日、広島県広島市生まれ。広島皆実高から12年に北九州入り。同年3月11日のJ2岡山戦でJデビュー、同3月20日J2水戸戦で初ゴール。昨季から徳島に移籍し、同年は41試合12ゴール、今季は42試合に出場し、リーグ2位、日本人トップとなる23ゴールを挙げた。12年にAFC・U-22選手権予選U-19日本代表。176センチ、62キロ。利き足は右。