柏レイソルの下平隆宏監督(46)は、日本代表として東アジアE-1選手権に出場したFW伊東純也(24)を、後半30分に武富孝介(27)に交代した理由について、攻守に個人のプレーに走っているように見えたことが理由だと語った。

 下平監督は、伊東の交代について聞かれ「代表帰りの疲れもあったせいなのか、前半からあまりいいパフォーマンスではなかった。攻撃のところでは、代表から帰ってきて、自分がああいうこと、こういうことが出来るというような欲が出たというか、少し個人のプレーに走っているようにも見えた。守備面でも、チームのためにやってくれているかというところでは、物足りなく交代した」と説明した。

 一方で武富と、後半45分に投入したFW大津祐樹(27)については「竹富はチャンスを演出してくれた。あとは最後を決めてくれれば、というところまではいった。大津も含め再三、チャンスを作ってくれた」と評価した。その上で「伊東純也選手には、まだまだ、もっともっと良い経験をして成長して欲しい」と伊東に注文を付けた。

 この日、敗れたことで、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場権を自力で獲得できなかった。下平監督は「天皇杯はACLにつながる大事な大会。絶対取りにいきたい…だから天皇杯を取りにいった。『柏から世界へ』というスローガンの元にやってきた中、自力で手に入れられなかったのは悔しい」と、表情こそ冷静だったが悔しさをにじませた。

 この日、セレッソ大阪が準決勝でヴィッセル神戸に勝って決勝に進出した。C大阪はJ1リーグ戦3位で、ACLプレーオフ出場権を獲得している。C大阪が天皇杯で優勝すればACL本戦から出場でき、リーグ戦4位の柏にプレーオフ出場権が回る。下平監督は「セレッソさんが勝ってくれたら、プレーオフが、もしかしたら回ってくるという可能性も残している。そこに向けてセレッソを全力で応援したい」と口にして、報道陣を笑わせた。【村上幸将】