沖縄キャンプ中のベガルタ仙台のGK陣が白砂がまぶしいビーチで悲鳴を上げた。17日、糸満市の美々(びび)ビーチで関憲太郎(31)シュミット・ダニエル(25)新加入の川浪吾郎(26)の3選手が砂浜トレを敢行。苦悶(くもん)の表情を浮かべながら約1時間、ハードなメニューをこなした。渡辺晋監督(44)が「徹底的に厳しくやる」と宣言した1次キャンプで、まずはGK陣がその洗礼を浴びた。

 美しい名前の穏やかなビーチリゾートが「修羅場」と化した。足腰に負荷のかかる砂浜でダッシュからのボールセーブに始まり、四つんばいでかえる跳び、前後左右のステップなど矢継ぎ早にハードなメニューが続いた。「メインディッシュはこれからだぞ!」と渡辺監督がげきを飛ばすと、3人の顔がみるみるうちに苦悶の表情に。開始当初のランニングでは笑顔が見られたが、短時間のインターバルで一気にメニューをこなすと、最後は砂浜にひざまずき息を荒らげた。

 新加入の川浪は「やばいです。昨日の時点で筋肉痛が出ていましたが、お尻ともも裏にきています」。関は「足場が悪いのでバランスよく体幹をつかわなくては動けない。きつかったが素晴らしいトレーニングだと感じた」と本番での効果を期待した。

 砂浜トレは膝への負担を軽減する効果も期待できる。昨年9月に右足首の靭帯(じんたい)を損傷したシュミット・ダニエルは「メニューの間隔が短くてきつかったですが、けがをした足首の強化にもつながる。筋肉痛? 明日どれだけ出るか怖いです」と振り返った。

 メニューを組んだ石野智顕GKコーチ(41)は「みんなオフに調整してくれていたので動けていた。不安定な砂浜でやることで、バランスを取ろうと普段は使わない筋肉も鍛えられる。3人とも元気に取り組んでくれました」と、海に入りクールダウンする3人を満足顔で見つめていた。【下田雄一】