「ミシャ札幌」が今季初実戦で“白星”発進した。北海道コンサドーレ札幌は19日、沖縄・金武町で今季J1に昇格したV・ファーレン長崎との練習試合(35分×3本)を行い、1-0で勝利した。新加入のFW宮吉拓実(25)のアシストでMF白井康介(23)が今季チーム“第1号”の決勝ゴール。札幌での初采配を振るったミハイロ・ペトロビッチ監督(60)が掲げる攻撃的サッカーを新顔コンビが実現し、新生チームの好スタートを印象づけた。

 新しい力が融合した。雨天のなか札幌の18年初実戦が始まった。広島から移籍した宮吉は左シャドー、J2愛媛から加わった白井は右ウイングバックで先発した。序盤、15日の沖縄入りから取り組んできたペトロビッチ監督が求める攻撃の組み立て、連係がピッチ上で実現できない。開始から27分だった。宮吉が右サイドからゴール前にパスを送ると、ファーサイドで白井が足で合わせてゴールを決めた。白井は「僕は合わせるだけだったので。その前のコンビネーションでうまくカウンターできた」。苦しみの中から生まれた値千金のチーム“今季初得点”だった。

 新戦力と新指揮官のコラボレーションが生んだゴールだった。攻撃練習を繰り返し、この試合に臨んだ。ミシャ流サッカーは数的優位をうまく使い、仕掛けるのが特徴。そのため個々が連動する必要がある。FW都倉が練習中に「頭も使うので余計に疲れる」と明かすほど、新たな戦術は複雑だった。白井は「点取ったところもそうだけど、何個かいいシーンは作れた」。午前、午後の2部練習後、宿舎に戻ってからもミーティングで確認。戦術などが順調に浸透している。

 試合を見守った指揮官も合格点を出した。「選手たちは我々がやろうとしているサッカーをなんとなく理解しているんじゃないか。しっかりしたイメージを持ちながら練習試合をしてくれたのは良かった」とコメントした。新戦力にとって、新たなカラーで戦おうとしているチーム内競争はチャンスだ。実戦で猛アピールした宮吉は「ポジティブにとらえて明日からにつなげていけたら」と謙虚に気持ちを切り替えていた。【保坂果那】