全国高校サッカー選手権で群馬県勢として初優勝した前橋育英が21日、前橋市内で優勝パレードを行った。

 Jリーグ入りするDF松田陸、DF渡辺泰基(ともに3年)らを除く大会の登録メンバー27選手らが参加し、市内の比刀根橋から前橋テルサまでの約1キロの商店街を約40分かけて歩いた。先頭のオープンカーに乗った山田耕介監督(58)と前主将のMF田部井涼(3年)の姿が見えるとカメラを構えたファンらから歓声が起こり、選手らは手を振るなどして応えた。

 山田監督はパレード開催に不安があったことを明かし「人があんまり来てなかったら、その中で手を降るのは大変だなと。でも、いっぱい来てくれてよかった。ありがとうございます」と安堵(あんど)の表情をみせた。

 同市内で初開催となるパレードに、地元民も熱狂した。商店街を埋め尽くすほどの人が押し寄せ、同大会決勝で決勝ゴールを挙げたFW榎本樹(2年)は「想像より人がいました。また来年もやりたい」と話した。大会得点王のFW飯島陸(3年)にはサインや握手を求める人が殺到した。もみくちゃにされながら歩いた飯島は「やばいです。すごいです」と市民らの歓迎ぶりに目を丸くしていた。

 パレードを見るために東京から駆けつけたという同校OBの近藤梨沙さん(33)は「私たちがいたころから『いつ優勝するか』ってずっと言われていたのでうれしい。当時、山田先生に授業も教えてもらっていたので、今日はもらい泣きしました」とうれしそうに話した。

 パレード後には前橋市市民栄誉賞の顕彰式も行われた。山田監督は「引き続き、勇気とパワーを与えられるチーム作りをすること、そして来年も日本一を目指してやっていきたい」とあいさつし、2連覇のかかる次の大会へ向けて気を引き締めていた。