FC東京の16歳FW久保建英が18日、都内の小平グラウンドで横浜F・マリノスとの練習試合(45分×2)にフル出場し、全3得点に絡んだ。

 前半4分にFW富樫の先制点の起点になると、後半5分にはJ1相手で初となる得点をマーク。25分のPKも獲得した。3-4で敗れたものの、今季の対外試合は6戦4発。長谷川健太監督(52)から及第点をもらい、24日の開幕浦和戦(味スタ)メンバー入りへ前進した。

 開幕前ラストマッチで久保が結果を残した。1-4の後半5分、左サイドでボールを受ける。横浜DFをいなして利き足の左足を振ると、対角線のゴール右にグラウンダーで決まった。練習試合とはいえ、昨年11月のプロ契約後、J1相手の初ゴール。「負けたので」と笑顔はなかったが、6日後の浦和戦へ上向いた。

 ほかの2ゴールにも絡んだ。前半4分にFW永井へ通したスルーパスから富樫が先制。長谷川新監督の采配で2トップからトップ下に回った後半は、さらに攻撃のギアを上げた。24分にドリブルでPKを獲得。キッカーこそMFリッピ・ヴェローゾに譲ったが、チーム3点目をお膳立てした。前日17日のプレシーズンマッチ横浜戦は後半33分から出場も、シュートを1本も打てなかった。一転、この日は6本。左ポストをかすめたり、GKの好守に阻まれるなど決め切れなかったものの「昨日より自分を出せた」と出来に納得した。

 フル出場で修正力を示した16歳。「将来、日本を背負って立つ存在」と期待する長谷川監督から「非常にキレていたし、あれぐらいやれれば。献身性も出てきたし、消えている時間も少なかった」と評価され、開幕メンバー入りへ「今日、アグレッシブだった選手は考えたい」と言わしめた。

 プロになり、初めてキャンプ初日から参加した今季は対外試合6戦4発。先月27日のインドネシア遠征バヤンカラFC戦では途中出場で2点を奪った。クラブ20周年イヤーの開幕浦和戦まで、残された練習は4日間。「日々適応しながらチャンスをうかがい、好機が来た時にはつかみたい」と気後れはない。【木下淳】