エースがアウェーで勝ち点3を呼び込んだ。鹿島アントラーズは水原(韓国)を2-1で破り、今大会初勝利でH組の首位に浮上した。体調不良で初戦は出番がなかったFW金崎夢生(29)が2得点。守っても韓国出身のGKクォン・スンテがPKを止めて氷点下1度の敵地で逃げ切り、1勝1分けとした。

 飢えていた。試合に、得点に。その思いを金崎はぶつけた。前半8分の先制弾はMF遠藤の浮き球を胸で落として右足で。後半14分にはFW鈴木のシュート性の“パス”に頭で突っ込んだ。「(遠藤)ヤスだったり(鈴木)優磨がいいボールをくれたので決めるだけでした」。今季10番を背負うエースの執念が光った。

 今月上旬に胃腸炎を患い「メチャクチャ痛い」腹痛を経験。嘔吐(おうと)し、初戦14日の上海申花戦は出番がなかった。そこから1週間で整えた。芝が広範囲に凍った極寒の水原で袖をまくり上げ、両チーム最多5本のシュート。ACL通算11得点は、浦和FW興梠に次ぐ日本人2位になった。

 Kリーグ出身のクォン・スンテも母国で出番をつかみ、PKストップで貢献した。攻守で役者が輝いて、金崎は「相手も相当強かったけど、その中で勝ち点3は大きい」と、環境に対応したチームに胸を張った。